台北:西門から迪化街へ

3月1日、一説には台北(いや…、台湾で)でいま一番勢いがあるという西門の商店街を視察した。これがまた若者の聖地的な街で、とにかく若者…若者…若者だらけ。東京でいえば原宿あたりに相当するだろうか。

対応してくださった商店街(西門徒歩区街区発展促進会)の劉理事長は、道後温泉を訪問したことがあるらしい。また、松山市野志市長にも何度かお会いしたことがあるらしい。台北市松山市が友好交流協定を結んでいる関係上だろうか…

 

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西門の商業地域の中では、何か所かで、ストリートパフォーマンスの集団に出くわした。市政府に対してか商店街組織に対してかは聞きのがしてしまったが、ここでパフォーマンスするためにはいちおう許可がいるらしい。ロンドンの地下鉄で路上ライヴしている人たちと同じような感じだろうか?f:id:nyamaguchi:20190307004658j:plain

 

ユニクロの建物の家賃は、1ヶ月で1500万元らしい。1台湾元=3.6円のレートで計算してみると5400万円! 1フロアだけでなく多階層の家賃であるとはいえ、とんでもない価格である。

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最も地価が高いのはおそらくこのケンタッキーのある交差点とのこと。また、タイムリーなことに、このケンタッキーのビルが、いま、15億元ほどで売りに出されているそうである。同じく3.6がけしてみると54億円!

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お値段の話。あまりにケタが大きすぎて、聞き間違いではないかと不安になる。間違っていたらごめんなさい。

ところが、いま、勢いにのっているこの西門の街も、15年前は落ち目だったらしい。その時、西門の商店街組織は大家さんたちに「まず家賃を安くしましょう!」とはたらきかけた。そのおかげで今の西門の繁栄があるとのこと。

やはり、多くの衰退商店街で、再生を考えるにあたって、家賃相場を適正水準に下げる努力をおこなっている。この台北…、いや台湾の中で最も栄えているように見える商店街ですらそうなのだ、という話を興味深く聞いた。
その後、劉理事長の案内で、迪化街(てきかがい)という乾物や漢方薬の問屋街を訪問した。しかも、近年、この街にはリノベーションの風が吹いていて、いい感じのカフェや雑貨屋さんが増えているらしい。といっても、淡水河沿いを北上してから街に辿り着いたので、迪化街の北の外れの方しか訪問できていないのだが…

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迪化街のメインストリート(迪化街一段)(南向き撮影)。本当のところをいうとここから南下していったあたりの方が、より強いリノベの風が吹いているようなのだが、今回、そこまで散策できなかったのが残念。

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われわれの歩いた範囲内で見かけたリノベ物件。 古い店舗物件をお寿司屋さんにリノベーションした事例のようである。

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なおこの物件、Google Street View で見てみると、2017年4月の時点で、都市再生前進基地(URS155: Urban Regeneration Station 155)として使われていたことがわかる。

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都市再生前進基地って何だろう? と思って調べてみたら、以下のようなページがそこそこわかりやすかった。

TAIPEI 冬季号 2017 Vol.10 都市再開発クリエイティビティ 台北‧下町の魅力を遊ぶ | 台北観光サイト

勝手なイメージだが、空き店舗にリノベーションを加えつつ、クリエイティヴなスペースとして活用し、文化的な発信拠点ないし集客拠点にしていく取り組みだろうか。別府で見た platform プロジェクトのようなイメージ? また、借り手がつけば、都市再生前進基地としての利用はとりやめて、フツーにテナントとして使ってもらうという感じだろうか?(あくまで勝手な想像です)

上記のお寿司屋さんのはす向かいにある、ペーパークラフト雑貨の店が素晴らしかった(奥にはお洒落なカフェも併設されていた)。今回の台湾行きで訪問した場所の中では、「リノベ」のイメージに最も適合的なお店だったと思う。自分の記憶に留める意図もあって、500元する猫の置き物(もちろんペーパークラフト)を購入した。おそらく、お宿代を除けば、今回の台湾行きで最も高価な買い物だった。

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youtu.be

できることならこの迪化街をもう小一時間ほどゆっくり散策したかった。今度、台北を訪問する時には行先候補地に必ず入れたい、という思いも込めて、書き留めた次第である。

なお、迪化街訪問後は、寧夏夜市で夕食を食べて、タクシーで桃園の宿に戻った*1寧夏夜市との近さも、迪化街の特筆点といえるかもしれない。

*1:ちなみにタクシーで帰ってもわずか800元程だった。4人でワリカンすれば1人あたり200元程度。新幹線で帰るよりよっぽど安い…