ストリップ劇場物語

「ストリップ劇場物語」というテレビのドキュメンタリー(を録画したもの)を視聴した。テレビマンユニオン制作による50分強のドキュメンタリー作品で、元々は、2018年6月1日にBSフジで放映されたものらしい。

序盤こそ、筧利夫さん、広末涼子さん、杉田成道さんが、実際にストリップショーを観覧し、感想を述べ、そのまま踊り子にインタビューするシーンがあるものの、それ以降、この3人はまったく登場しなくなる。筧さんや広末さん目当てでこの作品を視聴すると、おそらくガッカリすることになるので、ファンの方はご注意されたい。

このドキュメンタリーの主人公は浅草ロック座の南まゆさんと武藤つぐみさん。新しい公演を準備段階から公開まで追いかける形式のドキュメンタリーである。
直接的にそういうナレーションが入っていたわけではないが、この番組が視聴者に伝えようとしているメッセ―ジは、おそらく以下のようなものであろう。

 

  • ストリップは「単なるやらしい見世物」ではなく、研鑽を重ねたプロの踊り子たちによる立派なショービジネスである。


アザだらけになりながらポールダンスの練習をする武藤つぐみさんの映像が印象的だった。
近年、ストリップへの社会的イメージが変わりつつあることも、番組のトーンに影響を与えている。気軽に観覧する女性客も増えているようである。番組の中でも、武藤さんについている女性ファンの多さへの言及があった。

番組内では、ストリップ劇場の新しい試みとして、ニュー道後ミュージックの取り組みも紹介されていた。というのも、ニュー道後ミュージックでは、地元松山のアーティストとのコラボレーションイベントの機会を増やしているのである。踊り子として登場していたのはゆきみ愛さん、地元アーティストとして登場していたのは blue lagoon stompers の面々と仙九郎さんだった。

 

追記(2020/04/03)

上記の「ニュー道後ミュージックでは、地元松山のアーティストとのコラボレーションイベントの機会を増やしている」と関連して、以下のような論文を書かせていただく機会に恵まれた。

https://opac1.lib.ehime-u.ac.jp/iyokan/TD30295547

  • ニュー道後ミュージック社長の木村さん
  • コラボストリップのアイデアを木村さんに提案し、自ら実践した、踊り子の牧瀬茜さん
  • 地元アーティストとして踊り子とコラボレーションするのみならず、踊り子と他の地元アーティストとの間の窓口的役割も果たしているblue lagoon stompersの白石さんと吉井さん

たちへのヒアリング調査をもとに、コラボストリップ成立の経緯や定着要因について、不十分ながらも検討を試みている。ご興味のある方はご高覧いただきたい。

また、この論文を脱稿してから、ストリップ劇場のあり方について法学的切り口からアプローチするブログの存在を知った。

stg318.hatenablog.com

このブログにもっと早く出会っていれば、ストリップ劇場を取り巻く法制度についてももっと勉強してから論文を書くことができた。自らのアンテナ感度の悪さを悔いるところである。