別府のおもしろさ

12月6日(木)・7日(金)の1泊2日で別府を訪問してきた。

別府は不思議なまちである。観光資源である竹瓦温泉の周囲に風俗街が盛大に拡がっている。各店のケバケバしいネオン。店の前に立っている客引きの男性。その前をおそらく地元民であろう高齢の夫婦が何事もなかったように通り抜け、竹瓦温泉の入口に吸い込まれていく。別府の度量あるいは寛容性を感じる瞬間である。 

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訪問したかった場所の1つに波止場神社がある。別府のアートイベント「混浴温泉世界」において、現代アート作家のサルキスが「水のなかの水彩画」を発表した神社である。

PEELER/混浴温泉世界 別府現代美術フェスティバル2009 /大分

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訪問してみると、なるほどたしかに、神社のすぐ横に風俗店「non non」。サルキスがこの「non non」にインスパイアされて「水のなかの水彩画」を製作したことについては、BPPU PROCECT、芹沢さん、山出さんたちの出版物・著書の中でも語られている。

https://www.amazon.co.jp/dp/4309908640/

https://www.amazon.co.jp/dp/4990670000/

 

夕方16:00台の訪問だったが、これから店に出勤するのだと思われる、お水風の衣装を着たお姉さんがお参りするでもなく神社の境内を横切っていった。この光景は妙に印象に残っている。

深夜にまちを散策すると、やはりお水風の衣装を着たお姉さんたちが、仕事上がりなのであろうか、それとも休憩中なのであろうか、3人連れでネオン街を闊歩していた。神社で見た光景も含めて、別府は「色気」のあるまちだと思った。

こうした「色気」を排除する方向性のまちづくりがある一方で、寛容に包み込んでしまう方向性のまちづくりもある。別府のまちづくり関係者がどういう意図を持って政策立案しているかどうかについては、慎重な判断も必要になるだろうけれども、意図するとせざるにかかわらず、後者の方向性を一定程度追究できている点に、別府のおもしろさを感じた次第である。

 

「現役」のピンク映画館 

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「別府永久劇場」は更地になってしまっていた(居酒屋くいしん坊の右手奥)。今年に入ってから取り壊されてしまったらしい。

永久別府劇場 取り壊しへ - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

 

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アート関係者の間ではあまりに有名な清島アパート。残念ながら、今回は訪問する時間をとることができなかった。

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別府駅を山手側に回りこむと BEEPU PROJECT の事務所がある。ご縁がつながり、山出淳也さんにお話をお聞きすることができた。

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別府市役所では『旅手帖 beppu』の現物を拝見する機会に恵まれた。

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